古くからの民家と田畑が点在する農村地域で、お隣のご実家と寄り添いながら、家族独自の生活を展開できるように、南東側の庭を囲むようにリビングとエントランス土間を配置しました。

パティオのような囲み庭へアプローチから足を踏み入れると、そこはプライバシーの確保された広々とした明るい空間が広がっています。

リビングとダイニングは土間と囲み庭を介して別空間とし、料理や会話に集中した楽しい時を過ごすことができるでしょう。

プライベートな個室群はリビングなどの共有部分から分離したゾーンとし、畳コーナーやFCLを中心に回遊できる動線を持たせ、家事も楽に行うことができます。

2025年R+houseデザインコンテスト審査員特別賞受賞

[ 審査員賞講評 ]
住宅地において、家と町の“あいだ”をどう設計するかはとりわけ重要なテーマです。「囲み庭のある家」は、前庭と中庭をゲートで緩やかにつなぎ、その奥に玄関や開口部を配置することで、道路からの視線をほどよく遮りながらも、閉塞感のない佇まいを実現しています。家型の外観は、将来的なカフェや教室、サロンなど、多用途な活用の可能性も感じさせました。また、畳コーナーを中心とした回遊動線上に各室を配置した平屋プランは、日常の使い勝手と居心地のよさを両立させた構成として高く評価できます。LDKをひとつの大空間としてまとめるプランが一般的ななかで、キッチン・ダイニングとリビングをあえて分け、リビングを「くつろぐための場所」として独立させた点にも新鮮さが感じられました。

2025年10月24日
建築知識ビルダーズ編集長 木藤阿由子

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